漬物から始まる一杯。鹿児島ラーメンの話をしようか。

鹿児島ラーメンの歴史と特徴|漬物・豚骨・鶏ガラスープの文化を解説

鹿児島のラーメン屋に初めて行った県外の人は、だいたい驚く。
「え、漬物出てくるの?」って。

そう、鹿児島ではラーメンを頼むと、まずお茶と大根の漬物が出てくる。しかも無料、おかわり自由。ラーメンが来るまでポリポリ漬物をかじりながら待つのが鹿児島スタイル。これ、薩摩の「茶いっぺ(お茶を一杯どうぞ)」のおもてなし文化から来てるらしい。水だけ出すのは失礼、っていう気質。こういうところが鹿児島だなと思う。

そもそも鹿児島ラーメンって?

九州=豚骨ラーメンのイメージがあるけど、鹿児島ラーメンはちょっと違う。博多や久留米みたいなガツン系じゃなくて、豚骨に鶏ガラ・野菜・昆布をブレンドした、「濃厚なのにあっさり」という不思議なスープ。実は九州のラーメンの中で唯一、久留米豚骨の系譜に属さない独自路線。

麺はかん水を使わない白っぽい麺が多い。これは元祖「のぼる屋」の創業者・道岡ツナさんがかん水を好まなかったから。そしてトッピングには茹でキャベツともやしがドンとのる。炒め野菜じゃなくて茹で野菜。これも全国的に見て鹿児島だけ。

💡 知ってた?
のぼる屋の道岡ツナさん、元看護師で、横浜の病院で入院中の中国人患者から看病の礼としてラーメンの作り方を教わったのが始まり。1947年に鹿児島で開業して、それが鹿児島ラーメン文化の源流になった。

ラーメン王決定戦、知ってる?

KTS鹿児島テレビが主催する、県民投票型のラーメンイベント。ウォーターフロントパークで開催されて、県内800店以上の中から選ばれた18店舗が「ラーメン王」の座をかけて争う。

2024年2月に5年ぶりに復活した第6回大会は、来場者18万人、提供ラーメン7万8千杯という凄まじい規模。鹿児島県民のラーメン愛がわかる。

歴代王者を見ると、五郎家(3回優勝)TAKETORA(2回優勝)が完全に二強。初代王者は志布志のマルチョンラーメン。昭和37年創業の老舗で、5時間炊き上げの豚骨スープと卵・防腐剤不使用の自家製麺。これが県民投票1位って、鹿児島の人はちゃんとわかってるなと思う。

地元民が本当に通う店

ランキングサイトの上位は観光客向けの定番店が多い。それはそれでいいんだけど、地元の人間が「ここうまいよ」って言う店はちょっと違う。

ラーメン小金太

天文館で飲んだ後の〆といえばここ。食べログ百名店にも選ばれてるけど、地元民にとっては「飲みの帰りに寄る店」。豚骨と鶏ガラにフルーツと野菜の甘みが溶け込んだスープは唯一無二。ネギかけ放題なのも嬉しい。

住所鹿児島市樋之口町11-5
営業時間11:30〜15:00 / 18:00〜翌3:30
定休日無休
電話099-223-9455
Instagram@kokinta.tenmonkan
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のり一

1949年創業、鹿児島最古級のラーメン店。この価格で鶏ガラと豚骨の清湯塩ラーメンが食べられる。揚げネギの香ばしさがスープと絶妙に合う。天文館の飲み屋街にあって深夜まで営業。地元の飲兵衛に愛され続けている。

住所鹿児島市山之口町9-3 神川ビル1F
営業時間月火木 20:00〜24:00 / 金 20:00〜翌1:00 / 土 11:30〜14:00, 20:00〜翌1:00 / 水 11:30〜14:00, 20:00〜24:00
定休日日曜日
電話099-222-4497
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こむらさき 天文館本店

1950年創業の超老舗。正直、好き嫌いがはっきり分かれる。Googleの口コミは星5と星1に見事に二極化してて、中間がほとんどない。でもこの個性こそが鹿児島ラーメン。72時間煮込んだまろやかなスープは、ハマる人にはたまらない。一度食べて自分で判断してほしい店。

住所鹿児島市東千石町11-19
営業時間月〜水・金〜日 11:00〜18:00 / 木 11:00〜16:00
定休日第3木曜日
電話099-222-5707
公式サイトkagoshimakomurasaki.com
Instagram@komu.rasaki
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マルチョンラーメン 志布志本店

初代ラーメン王。志布志まで行かないと食べられないけど、行く価値はある。昭和37年創業、5時間かけて炊き上げる豚骨スープ。麺は卵も防腐剤も使わない自家製。朝7時から営業してるのもすごい。こういう店が県民投票で1位を取る鹿児島が好きだ。

住所鹿児島県志布志市志布志町志布志2丁目8-41
営業時間月〜金 7:00〜17:00 / 土日祝 7:00〜18:00
定休日木曜日(祝日は営業)
電話099-472-0576
公式サイトmaruchonramen.co.jp
Instagram@maruchon_ramen_official
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TAKETORA(タケトラ)

ラーメン王決定戦2回優勝(第3回・第5回)。指宿駅から徒歩3分。山川産の本枯節を使った看板メニュー「開聞岳」は、開聞岳をイメージした盛り付けも楽しい。五郎家と並ぶ二強として、鹿児島のラーメンシーンを引っ張ってる存在。

住所鹿児島県指宿市大牟礼1-1-13
営業時間月 11:30〜14:30 / 水〜日 11:30〜14:30, 17:30〜20:30 ※スープなくなり次第終了
定休日火曜日・第3月曜日
電話0993-22-5338
駐車場20台
公式サイトtaketora-ibusuki.jp
Instagram@taketora0606
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編集部のひとりごと

40を過ぎると、ラーメンの「うまい」の基準が変わってくる。

舌が驚く新しさより、変わらない「いつもの味」がうまく感じる。不思議なもんで、懐かしさがそのまま美味さに変わってくるんだよな。

自分がよく行くのは、川辺のくりやま。近いからってのもあるけど、いつ行っても同じ味がする。それがいい。ラーメン王決定戦にも出てたけど、順位とか関係なく、ただ「いつでも食べれるいつもの一杯」がそこにある。

昔は南さつま市にも松嵐とかときとか、時代を感じるラーメン屋があった。もうないけど、あの味は覚えてる。もちろん新しいラーメン屋もうまい。でも、ランキングに載るような派手さはなくても、地元の人が何年も通い続けてる店が、結局一番うまいのかもしれない。

らーめん専門 くりやま

南九州市川辺町のラーメン専門店。ラーメン王決定戦にも出場。川辺の醤油を3種ブレンドしたスープは、派手さはないけど何度でも食べたくなる味。

住所鹿児島県南九州市川辺町永田1514-2
電話0993-56-3848
公式サイトkuri-yama.com
Instagram@ramenkuriyama_yome
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おまけ

🎩 天文館のMAGIC STONEっていうマジックバー、実は家系ラーメンが食べられる。マスターが元人気ラーメン店勤務で、マジック見ながらラーメン食べるという意味不明な体験ができる。鹿児島の懐の深さを感じる。

🐟 いちき串木野市の大衆中華 蘭蘭にはまぐろラーメンがある。串木野はまぐろの町だから。こういうご当地感のあるメニューは好きだ。

※ 記載の情報は2026年4月時点のものです。営業時間・定休日・メニュー・価格は変更になる場合があります。最新情報は各店舗へ直接ご確認ください。

鹿児島ラーメンは、漬物から始まって一杯で終わる、ちょっとした体験。有名店もいいけど、地元の人が何気なく通ってる店にこそ本当の味がある。ランキングじゃなく、自分の舌で探してみてほしい。

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